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第4章「束の間の平穏」

そしてFAMEは動き出す 前回までのあらすじ

再び発生したガウスの里とTZT魔法王国の戦い。その結果は四天王一人の死、そして隊長2人の死というこの戦乱に大きく影響を与えるものとなった。そして戦いの後しばしの平穏が訪れる中、2つの国を大きく揺るがしうる力を持つ1つの団体が目的地を目指し近付いているのであった・・・。


第4章「束の間の平穏」

FAME。それはサモタをリーダーとし、その直属のスリーエキスパートで固められた少数精鋭の団体である。
その業務は争いの調停を主とする。この業務はかつて存在した強大な一族が行っていたが、その一族が何者かに滅ぼされた後唯一の生き残りであったサモタが立ち上げたのがFAMEである。

今そのサモタとスリーエキスパートの4人というFAMEの重鎮はある2つの国の争いの調停のため、現地へ向かっていた。
実際、スリーエキスパート3人総勢どころかリーダーが自ら出向くというのは異例の事態であった。
だが今回のケースは強大な国2つの争いという世界をも揺るがしかねない事例であったことに加え、サモタ自身の独自の目的もかねているという理由があった。
サモタ自身の目的とは、まさにある人物の探索である。
かつて争いの調停を担っていた強大な一族の長の息子であったサモタは、その一族をたった一人で滅ぼした人物をずっと探し続けてきた。
一族の強大さは言うまでもなく、その長であるサモタの父は当時最強レベルの力を持つと言われた歴戦の強者だった。
それを本当に一人で滅ぼすなどという化け物が存在するのか・・・?だがサモタは見た。意識を失う直前、炎の中に佇むバニーのシルエットを。
だがサモタ自身その人物を見つけてどうするのかは判断できないでいた。
ただその狂行の理由を聞きたい、今はその思いが頭を満たすのみである。


FAME一行は狂連谷を抜け、今ガウスの里とTZT魔法王国の分かれ道にさしかかっていた。

松原老人「どうやらここが分かれ道のようですね」

60代ほどと思われる老人が汗をかき、腰をさすりながら言った。

縄源氏「目的地も近いようじゃの!」

これに答えたのは同じく少々髪の毛が後退した老人。だがこちらは対照的に元気そうであった。

えばた入道「それにしてもリーダー、なんでTZT魔法王国に先に行こうと思ったの?」

サモタの傍に立っていたえばたという感じの少年が何気なく聞く。

サモタ「ん・・・なんとなくだな」

実際、サモタがTZT魔法王国に先に行こうと決意したのは特に理由はなかった。2つの国の争いを調停するにあたって、どちらにせよ2つの国へは接触を試みる必要があるのである。

えばた入道「立札に左はTZT魔法王国、右はガウスの里って書いてあるね。リーダーの言うとおりにここは左へ行こう」

松原老人「まだ・・・現地へ着かないのでしょうか・・・」

縄源氏「もうちょっとじゃい!しゃきっとせい、しゃきっと!」

疲れの色が見える松原老人を縄源氏が引きずりながら、一行は左の道を進む。





だが、この立札は反対に設置されていた。
何者かの思惑によって。




<ガウスの里>
先の戦いで負った大きな怪我はほとんど治り、機GAUSU機は一人修行に励んでいた。
彼が戦ったのはTZT魔法王国の四天王の一人ふじけん。
四天王と自らの力の差を彼は痛感することになる。

里内部にある修行場で彼は一人考えていた。

機GAUSU機(最初から六式以上を使っていればもっと戦えたかもしれない。いや、おそらくそれでも・・・)

機GAUSU機に軽い調子で一人の青年が声をかける。

ベルモンド「やあ。相変わらず修行熱心だね」

ベルモンド・ガウス・カルスグローヴ。ガウスの里第2部隊隊長であり、機GAUSU機の友でもあった。

ベルモンドは声から軽い調子を取り去り、言った。

ベルモンド「バルバロスガウスのことは聞いたよ。里本部付近の防衛にあたっていたとはいえ、駆けつけられなくてすまなかった」

ガウスの里は恐るべき四天王ふじけんとの戦いで、第3部隊隊長であるバロバロスガウスを失っていた。
隊長クラス3人がかりでの苦戦。四天王の恐ろしさというものが痛感できる戦いである。

機GAUSU機「あれは俺の力不足が原因だ。俺は・・・もっと、もっと強くならなければならない」


その時、第一部隊の隊員が修行場に駆け込んできた。

隊員「大変です隊長!ガウスの里に・・・侵入者が!」

ベルモンド「侵入者・・・?TZT魔法王国の者かな?やれやれ、この間の戦いがあったばかりだというのに・・・」

機GAUSU機「すまないが今俺は修行中でな。我が部隊の副隊長にお願いしてもらってくれ。まさか四天王が来たわけではあるまい、簡単に対処できるはずだ」

ベルモンド「第2部隊からも副隊長を派遣するよ。僕はちょっとやることがあるのでね」

そう告げると、ベルモンドは修行場を去っていった。

<ガウスの里入口付近>

えばた入道「もうすぐ着くみたいだね」

松原老人「やっとですか・・・」

縄源氏「歓迎は手荒なようじゃがな」

4人は既に入口付近まで来ていた。
そのFAME4人の周りを20~30名ほどの人数が取り囲む。
いずれもその雰囲気から自分たちが歓迎されていないことを4人は感じ取っていた。
すると、その取り囲んでいた集団の中からリーダー格と思われる2人が前に出てくる。

ガウ狼「堂々とガウスの里に侵入してくるたぁいい度胸だな。」

ローゼンガウス「申し訳ありませんが貴公たちのお名前とご用件を伺いたいのですが」

ふと出た単語に、一同は疑問の色を濃くする。


えばた入道「ガウスの里・・・?」


縄源氏「まさか道間違えたっていうことかい、このあほー!」

縄源氏は松原老人の頭をひっぱたいた。

松原老人「なんで私の頭を叩くんですか!しかし立札どおりに進んだのに妙ですね・・・」

サモタは冷静さを崩さず返答を返す。

サモタ「先にそちらの名前を伺いたい、俺はサモタという」

ローゼンガウス「おっと、これは失礼。私、第2部隊副隊長のローゼンガウスと申します」

ガウ狼「第1部隊副隊長のガウ狼だ。あんたらの目的はなんだ?」


サモタ「俺たちは争い調停のためにやってきた、FAMEだ。目的はTZT魔法王国との停戦と和解を話し合うためだが・・・信じてもらえるかな?」

侵入者の思いもよらない発言に、ガウスの里一同は騒ぎ立てた。

ガウ狼「おいおい、んなこといってこの国を侵略しにきたTZT魔法王国の刺客じゃねえだろうな?」

ローゼンガウス「FAMEという団体は聞いたことはありますが・・・貴方がたがそうだと証明はできますか?」

ガウスの里への侵入者は日に日に後を絶たない。そのほとんどがTZT魔法王国からの刺客ないしはスパイであるため、彼らが警戒体制を維持し続けるのも当然のことであった。



えばた入道「やれやれ、用心深い人たちだね」

松原老人「証明書とかはありませんけど・・・お通ししてもらえないでしょうか?」


ガウ狼「信用できねぇな。ま、話は後でゆっくり聞く。まずはあんたらを取り押さえさせてもらう」

ガウ狼、ローゼンガウスの副隊長クラスを始めとする侵入者撃退のための精鋭部隊30名ほどが一気に戦闘態勢に入る。

縄源氏「まったく、血気盛んな奴らというか・・・えばた入道!」

えばた入道「ああ、わかってる」

えばた入道はこめかみに手をあてて目を瞑った。
そして10秒もたたないうちに再び目をあける。
精鋭部隊から見ると、特別何かをしたようには見えない。

えばた入道「こいつらの戦闘能力は1人1人がC-ランク。1部隊の能力としてはまぁまぁの精鋭部隊みたいだね。それと、B+ランクのがさっき話してた2人。あの2人はそれぞれ特殊能力を持ってるから少し注意だけどこの程度なら特段問題ないよ」

松原老人「ほほ、えばた入道の能力は相変わらず凄いですね」

えばた入道の2つある能力の1つ、それこそがこの強力な索敵能力であった。
周囲の一定範囲内にいる敵の大まかな強さをえばた入道個人でランクわけしたE、D-、D、D+、C-、C、C+~S+までの16段階で算定。さらに個人単位で集中して探ればその敵が持っている特殊能力の詳細まで判別できるという強力な能力である。

縄源氏「ちゃっちゃと片づけてこの国の長と話をつけるかの!」




副隊長2人を含む総勢30名の総勢部隊が4人に飛び掛った。


<Z山>

TZT魔法王国よりさらに奥地に行ったところに存在するZ山。
そこは古来よりTZT魔法王国の住人でさえ寄り付かない魔の山であった。

自然は深く、得体の知れない獰猛な生物が跋扈する道。
そして霧があまりにも深く一寸先もほとんど見通せない、まさにZ山の奥地という場所。

現在そこに彼はいた。

TZT魔法王国の長。TZT。

彼はTZT魔法王国の誰にも(四天王にさえも)行き先を告げず、国から姿を消していた。



彼がしばらく歩いていると、一つの山小屋が見えてきた。

このような場所は本来寄り付きさえするような場所ではない。
まして、誰かが住んでいるなどということは考えられないことだった。

山小屋には看板がかかっており、そこには「ハンサム」と書かれている。


TZT「にょほほほ。ここも何年ぶりかね」


TZTがその山小屋に近づくと、中から1人の人影が現れた。

じいさん「お主がここに来るとは、本当に珍しいのぉ」

見かけは若い少年、だが口調は年寄り口調である。そして何より彼の格好は全裸だった。

TZT「例の洞窟で修行をしに来たんだわさ」

じいさん「勘を取り戻しにきたというわけか。ということは、・・・ついに戦いに出るつもりなのかの?」


TZT「次の戦いで、ガウスの里との決着をつけようと思ってね。じいさん、あんたには今まで世話になったよ。多分ここに来るのもこれが最後になる」


その時、じいさんの顔には一瞬寂しさのようなものがよぎった。


じいさん「なに、お主のことは本当の孫のようにも思っとったが・・・戦いに出るというのならば全力でそれを支援いたそう。洞窟を今から再び解放する」

2人は山小屋の裏手にある巨大な洞窟の中へと消えていった。


<ガウスの里入口付近>

大勢の人が倒れていた。
だが、どうやら死んでいるわけではなく気絶しているだけのようだ。

そこに立っているのはただ4人。

縄源氏「ちょっとした準備運動にはなったかの!」

松原老人「久々なので少々疲れました」

えばた入道「やれやれだよ」

サモタ「・・・」

倒れていて尚意識があるのは1名。

ガウ狼「う・・・ぐ」

縄源氏「お?まだ意識があるやつがおったんかい」

ガウ狼(こい・・つらは一体・・・。この精鋭部隊が一瞬で・・・さっきの戦いから見てあの3人、1人1人が隊長クラスの力を持ってやがる)

さらにこの戦い、スリーエキスパートは最初にえばた入道が索敵をした以外に、それ以降は誰も各々の「力」を使っていなかった。ただの体術のみで精鋭部隊を圧倒したのである。


縄源氏「そんじゃ、こいつも気絶させとくかの!」

サモタ「待て」

その時、それまで1歩も動かず、戦いにも加わっていなかったサモタが口を開いた。

サモタ「俺たちは争いにきたわけじゃない。ただ、話し合いにきただけだ。お前たち、そこのところを勘違いしないように気をつけてな」



ガウ狼「お前ら・・・本当にその目的でやってきたってのか?それなら、隊長クラスと話をするといい・・・。この里の事がいろいろと聞けるはずだ。どのみち、俺達では到底お前らを止めることは叶わねぇみたいだしな」

ガウ狼はその4人組を完全に信用したわけではないが、そう言ったのは今ここで倒れている誰も「気絶しているだけ」という理由が大きなところであった。
彼らの力ならばいつ自分たちは殺されていてもおかしくないと思えたからだ。


サモタ「うちのスリーエキスパートが失礼した。重ねて言うが、俺達はこの国に危害を加えにきたつもりは一切ない」

その4人はそのままガウスの里の内部へと入っていく。





ガウスの里。
狂連谷を抜けたさらに先にある、強大な1つの国。
他国とは極力関わりを持とうとはしない国であった。
そのため、この国に関する情報は外部にはあまり知られていない。
しかし、何よりも大きな特徴はその強大な軍事力にある。

ガウスの里は人々が暮らす住宅街、人々が物資を得る商店街のような狂店通り、そして軍事本部や研究所などがあるエリアの大きく3つの地域に分けられる。

ガウスの里内部に入ったFAMEの4人は今、人で賑わう狂店通りを歩いていた。

えばた入道「どんな場所だろうかと思ったけど、思ったより平和そうな場所だね」

松原老人「軍事本部とやらに行けば・・・長さんとお話をさせてもらえるのでしょうか?」

しばらく狂店通りを歩いていると、段々人も少なくなってきた。
関係者以外は立ち入らない軍事本部が近付いてきたからである。

そのまま通りを抜けると巨大な門と塀があり、中にはいくつかの建物が乱立していた。
その中央には特に巨大な建物が聳えている。

縄源氏「どうやら軍事本部というのはあそこかの!」

えばた入道「でもこの門開いてないけどどうするの」

サモタ「話し合いに来た以上、勝手に侵入するわけにもいくまい。さて・・・・ん?」

門の前で立ち往生していた4人の前に、一人の男が現れた。
サモタは一目でその男に見覚えがあることに気づいた。

機GAUSU機「あ・・・あんたは・・・」

機GAUSU機の気配が驚愕から、警戒のものへと瞬時に変わる。

サモタ「おや?確か牧場で会ったな。君は隊長の1人だったか・・・?安心してくれ、俺たちは戦いに来たわけではない」

機GAUSU機「まさか侵入者というのがあんただったとはな。戦いに来たわけではないだと・・・?ならば一体この辺境の地に何の用だというんだ」

その問いにすぐにスリーエキスパート達は答える。

えばた入道「話し合いに来たのさ」

松原老人「私たちはFameの業務の一環としてガウスの里物語とTZT魔法王国の争いを平定に来ました」

縄源氏「ここの国の長と話をさせてくれんかの!」

機GAUSU機も同様、この返答に面食らったがこの4人からは確かに戦いを始める様子は感じ取れなかった。
彼らを信用していいのか、もし今1人でこの4人に立ち向かって果たしてどれほど持つのか、様々な思いが脳裏をよぎり、自分でも驚くある1つの結論に辿り着く。
機GAUSU機があれこれ考えていると、ふと目を閉じていたえばた入道が言った。


えばた入道「ランクAか・・・まぁこの人が隊長ってのは間違いなさそうだね。どうするリーダー?」

サモタ「どうも俺達はこの里での勝手がわからんもんでな。いろいろと教えてもらえるとありがたいのだが・・・頼めないだろうか?」

機GAUSU機「・・・いいだろう、だが1つ条件がある」

機GAUSU機はしばし躊躇した後、この場の誰ものが(機GAUSU機自身も含む)驚くことを口にした。

機GAUSU機「この前の件であんたの実力はわかってる。しばらくここに滞在し、俺を鍛えてくれないか?」



<TZT魔法王国>

1人の男が足を広げてベンチに腰かけていた。
その恰好は全裸。
周りに人は誰もいない。

すると、その男に1人近づく影があった。

ハヤオ・ゴールドスミス「やれやれ、相変わらずとんでもない恰好でやんすね」

座っていた全裸男も微笑を交えながら返答を返す。

ふじけん「これこそが俺のスタイルなんでな。・・・いや、まさにおれ自身を体言していると言ってもいいかもしれん」

これは毎度の如く同じように返ってくる返答であったが、ハヤオ・ゴールドスミスは特段気にする様子もなく話を続ける。

ハヤオ・ゴールドスミス「この間の戦いは大変でやんしたね。まさかあのイタチザメが戦死するとは・・・。あんたも少し負傷して帰ってきたでやんすしね。」

ふじけん「俺の傷は大したことない。だが・・・イタチザメ、あいつに何があったのか、それは俺もずっと考えていた」

あの戦いから、ふじけんは常に考えていた。「イタチザメと戦っていたのは誰なのか」は状況証拠から見ても隊長の1人であるエンジェルス・ガウ子で間違いはない。だがそれだけでは説明できない、まさに四天王であるイタチザメが負けるという事態こそが異常だった。

ハヤオ・ゴールドスミス「ガウスの里はの奴にやられたということは?」

ハヤオ・ゴールドスミスは自らの因縁の名前の相手を忌々しげに挙げる。

ふじけん「お前が昔してやられたというあの暗殺省のところのか・・・。確かにそれは俺も考えた。だが、どうも何かが違う。・・・まぁ、俺の勘だがな」

ハヤオ・ゴールドスミス「それにしても、ここの長はどこに行ったんでやんすかね。3日前に出かけたきり戻ってこないと聞いたでやんす」



ふじけんは、どこかの四天王と同じ答えを返した。

ふじけん「あの方には・・・あの方なりの考えがあるのだろう」



<ガウスの里FAME宿>

普段ガウスの里には客などは訪れない。他の国との交流がほとんどないことに加え、狂連谷を越えてここまでやって来るような物好きな観光客などもいないからである。
よって、この里には宿屋というものがなかった。

今、FAME一行は機GAUSU機が特別に手配した宿に宿泊している。
彼らは、機GAUSU機を鍛えるかわりに里での行動をしやすくしてもらい、かつ情報提供もしてもらうという条件を呑んだのだった。
そうした過程を経て、現在彼らの立場は侵入者から世にも珍しい「ガウスの里の客人」に変化を遂げていた。

現在宿のテーブルには機GAUSU機、サモタ、えばた入道、松原老人、縄源氏の面々が対面していた。

縄源氏「ではさっそく、この里についていろいろと教えてもらおうかの!」

機GAUSU機「いいだろう、俺も隊長という身なので大方の質問には答えられるはずだ。何から聞きたい?」

えばた入道はすぐさま挙手する。

えばた入道「TZT魔法王国との戦いについて聞きたいよ」

機GAUSU機「あの国とは・・・本当に長い間戦ってきた。どうやら俺が生まれるさらにもっと前から戦っていたらしい。俺が経験しただけでも、少なくとも10回は大きな戦いはあったはずだ。聞いた話によると、2つの国ははるか昔に元々1つだったらしい。そこから分裂し、どちらが生き残るかということで戦いが始まったそうだ」


えばた入道「そういえばTZT魔法王国ってどんなとこなの?」

機GAUSU機「あそこの奴らは、火、氷、雷、聖という4属性の魔法を使ってくる。やはり驚異なのは四天王と呼ばれる奴らだ。あいつらはここの隊長よりもはるかに強い。この間の戦いも四天王が出てきたことで、たくさんの犠牲が出た。」

そこで、松原老人が控えめに切り出す。

松原老人「そういえば私たちはここの長と話をしたいと言いました。ガウスの里の長はどちらにいらっしゃるのですか?」

機GAUSU機は珍しく返答に詰まった。しばらくの沈黙の後、躊躇いがちに言う。

機GAUSU機「それが・・・俺もわからないんだ」

縄源氏「なんじゃと?」

機GAUSU機「俺が仕えるべきガウスの里の長。まさにその名を、ガウスと言い、狂神と呼ばれるほどの強大な力を持つと聞く。この里のどこかにいらっしゃるはずだが・・・我々隊長達は誰も会ったことがない。戦いに関する指示や指令は主に隊長たちをまとめあげる、暗殺省という組織のリーダーであるガウスの里は殿が取り仕切っているんだ」

松原老人「では、長の場所を知っている人間はいない・・・と?」


機GAUSU機「いや・・・側近が2人、いると聞く。だが、俺もほとんど接触したことはないな・・・」


そこで、サモタが一通りの方針をまとめた。

サモタ「当面は、ここに滞在しながら情報収集、同時に長への接触を試みる。そして機GAUSU機、君を鍛える、ということでいいのかな?」

機GAUSU機「ああ、よろしく頼む」

松原老人がふと思い出したように言う。

松原老人「・・・食糧を全く買い込んでいませんでした。なんだかお腹がすきましたよ。夕飯はみたらし団子にでもしませんか?」


縄源氏「お前はいつもそればっかりじゃの・・・」


縄源氏は呆れたように言った。


サモタ「俺が街に出ていろいろ買ってくるよ。3人はこの宿のほうを頼んだ」

えばた入道「いいの?」

サモタ「ちょっと街のほうも見てきたいしな。情報収集もかねて食料を買い込んでくる」





<牧場>

ガウスの里より離れたところにある牧場。
そこは今もガウスの里との戦いの爪痕を残していた。

おじさん「・・・・・・」

怪我も完治したおじさんは今、もたらされたある情報について悩んでいた。

おじさん「さて、どうしたもんかな」

その時、部屋に巨大な剣を提げた男が入ってきた。

オイミヤコン「コーヒーが入りました」

おじさん「ああ、そこに置いておいてくれ・・・」

特に最近になって見られる、おじさんの悩める様子にオイミヤコンは事情を察する。

オイミヤコン「・・・”あの情報”について、悩んでいたんですね」

おじさん「ああ。だが、本当なら一番お前が気になっているはずだ。無理はするなよ」

その情報とは、「狂連谷を抜けた地でオイミヤカロンの目撃情報があった」というものだった。
オイミヤカロンとは、5年前から行方不明になっているオイミヤコンの姉である。5年前のあの日、少し出掛けてくると言ったまま彼女は帰ってこなかった。

おじさんが悩んでいたのは、まさにオイミヤカロンを探しに行くかどうかということであった。
だが話はそう簡単ではない。目撃情報の信憑性もわからないうえ、狂連谷、およびその先の地での危険性は相当なものであった。
何よりあの地域には強大な2つの国、ガウスの里とTZT魔法王国が尚も戦争を繰り広げている。
もうこの牧場に戻ってこれない可能性は十分にある。そうなったらこの牧場は・・・・。


オイミヤコン「探しに行きたい気持ちは同じ、貴方がいかなる決断をなされようともついて行きます」

おじさん「オイミヤコン・・・」



おじさんはそこでふと笑みをこぼす。


おじさん「ふぉふぉふぉ」


たった一言、しかし確固たる決意を秘めた口調で、告げた。


おじさん「行くか、オイミヤコン」



<狂店通り>


ガウスの里、狂店通り。
里の人々でいつも賑わうその商店街にサモタは来ていた。

サモタ(とても他国と戦争中の国とは思えないような場所だな。)

おっちゃんから野菜類を購入しながらサモタは考えた。

八百屋のおっちゃん「まいど!大根、人参、玉ねぎ。どれも新鮮だよ!」

サモタ「どうもありがとう」

サモタ(ここの人たちは人柄が良さそうだ。この分なら当面のここでの生活も問題あるまい)


サモタは宿屋のほうで書いてきた「必要なものメモ」を見ながら店を探した。

そのメモには食糧から、これからの生活で必要となりそうなものまで様々なものが書いてあった。


サモタ(んと・・・次は日用雑貨店か)

サモタはメモを見ながら次の店へ足を運ぶ。







その時、サモタは商店街の賑わっていた暖かな空気が一変したように感じた。


サモタ(・・・?)


その空気に一番に感じるのは「恐れ」。


人々の視線の先に一人の少女の姿があった。
一見12歳ほどに見える幼い少女。しかし、人々はその少女を目に見えるほどに避けていく。

サモタはその異様な光景をしばし呆然と見ていた。



すると、いつのまにかその少女がサモタの目の前までやってきていた。
既に、サモタの周りから人は遠のいていて遠巻きに眺められている。

周りの人と違い、一歩も動かないサモタに少女は不思議そうに語りかけた。

ガウス・キャラメルプリン「あなたは私を怖がらないの?」

サモタ「・・・どうして怖がる必要があるんだ?」

状況を不審に思っているサモタの顔を、その少女はしばしじーっと眺めていた後、急に嬉しそうに顔を綻ばせた。

ガウス・キャラメルプリン「来て!」

サモタは急に腕を引っ張られ、少女はそのまま勢いよく走ってゆく。

訳が分からず、サモタはそのままなすがままに連れられていった。



行き着いた先はどこかの建物の屋上のような場所だった。
周りに人はいない。
この場所からは里が一望できた。

ガウス・キャラメルプリン「ここ、私のお気に入りの場所なの。眺めもとってもきれい」

サモタは先ほどの様子を考える。
少なくとも外見からも、この少女が恐れられる理由は到底わからなかった。

ガウス・キャラメルプリン「私、ガウス・キャラメルプリン。あなたは?」

サモタ「俺はサモタだ。ここの里の人間ではなくてな・・・Fameという組織のリーダーをしているよ。」

サモタは相手が小さな少女ということもあり、この里に来た目的などはあまり詳しくは説明しない。
そこで、その少女はサモタに1つ質問を投げかける。

ガウス・キャラメルプリン「外の世界から来たの・・・外の世界って、どんなところなの?」

サモタ「外の世界・・・か。世界は広い。いろんな場所を直接見て、直接知ることはとても素晴らしいことだと思うんだ。見れば見るほど自らの視野というのも広くなる。違った人々、違った場所、違った自然、そのそれぞれに魅力があるから、俺はこれからもまだまだ知らない世界を見ていきたい」


サモタは言い終わり、ふと相手が12歳ほどの少女であるのを忘れていたことに気づく。

サモタ「っと、ごめんな。少し難しい話をしてしまったかもしれない」

ガウス・キャラメルプリン「・・・・」

少女は何も答えず、サモタをじっと見ている。
ふと、サモタはなんとなく今の少女の質問が単純な好奇心からの質問ではないように感じる。そのように感じた理由は、自分でもよくわからなかった。

ふと自分の時計を見る。
既に夕暮れ時とも言える時刻。
先ほど言われたとおり、ここからの夕暮れの眺めはとても素敵だとサモタは思った。

サモタ「そろそろ宿に戻らなければならないようだ。俺は戻るが、気をつけて帰れよ」

そういい残し、その場を去ろうとするサモタを少女は呼び止めた。

ガウス・キャラメルプリン「また、ここで会える?」

サモタ「ガウス・キャラメルプリン、だったか?ここは良い場所だ、また来よう」


ガウス・キャラメルプリンは立ち去るサモタの背中をじっと見つめていた。




<ガウスの里研究所>

ガウスの里、研究所。
そこは軍事本部内部にあり、現在では主にTZT魔法王国との戦争に勝つための様々な技術の研究及び開発を担っていた。
総勢50人ほどの研究員を抱えており、この戦争においては重要な役割を担った機関であるためTZT魔法王国の来襲の際などは戦闘部隊がこの研究所を防衛、研究員は安全な場所に避難という形式になっていた。


とある研究室。
扉の表札にはozawaの文字。

その部屋の中にいる研究員の一人は椅子に座りながら、足を机に投げ出した格好だった。服装の白衣もところどころ皺がついている。



信玄「ウサギが1匹、ウサギが2匹、3匹♪」




その研究員の歌声が響く。




信玄「4匹」





<郊外>


ガウスの里から少し離れた場所。

そこを一人の少年が歩いていた。


その背中にリュックサックというまるで遠足のような出で立ちは、危険地帯と言われるこの周辺にはまさに異形であった。





ガトリング陣「へ~~~~~~~~~~~~~~。この辺りも変わってないね」


辺りを見回し、少年は嬉々として言う。




その時、少年の背後には巨大な影が覆いかぶさっていた。
鋭い牙を持つ恐竜といっても差支えない生き物が少年の背後にいる。


少年の何十倍はあろうかというその巨大生物は、この地域に生息する肉食動物の中でも最大級の種である。
こうした生き物が蔓延っていることも、危険地帯と言われる大きな所以であった。



その生物は目の前の獲物を捕食しようと、少年を食いにかかる。


が、その巨体は跡かたもなく消滅した。



ガトリング陣「兄ちゃんは、元気かな」



リュックを背負う少年はただ、里を目指す。




第5章に続く
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